着ぐるみマスクはデザインが重要ですので、そればかり注目されがちです。しかし、見えないところで手抜きされたためにすぐにダメになってしまったというのは避けたいところ。そこで着ぐるみ選びを失敗しないためのチェック項目を列挙したいと思います。

1.着ぐるみマスクの真正面以外からの角度から見ても破綻していないか?

 ほとんどの着ぐるみの写真は真正面ばかりですが、真横や斜めの角度から見たときにデザインが破綻しないかどうか。特に斜めの方向から見たときに破綻しないかどうか。

2.ウィッグの量は十分か?

 他にも毛の硬さもあって、硬いほどスタイリングメンテナンスが簡単になります。逆に柔らかいほど、フワフワ浮きやすく、ちょっとでも絡むと二度と戻らなくなることがあります。

3.着ぐるみマスクは裏面処理が十分か?

 FRP製の場合、マスクの裏側がトゲ・バリが残らずきちんと処理されているかどうか。また、瞳のハードフィルム・プラスチックのカドが飛び出てないかどうか。最悪目をケガします。

4.着ぐるみマスクに使うタルクはアスベストを使用していないか?

 タルクとは赤ちゃんパウダーや化粧品にも使われており、FRPでは増粘剤として使います。国内では厳しくアスベストの使用が禁止されているため、ガラスから作られています。

5.肌タイツの染料に発がん性物質は含まれていないか?

 だいぶ以前の話ですが一部の染料に発がん性物質の疑いという通達があり、繊維業界では自主規制しています。

6.類似品、海賊版でないか?

 昨今の3Dスキャン・3Dプリンタの技術はめまぐるしいほど進歩しています。逆に言えばカジュアルコピーも現実味を帯びてきます。それは着ぐるみマスクだけではなく、小さなフィギュアや、60cmくらいの関節球体系ドールなども3Dスキャン→倍率を大きくして→3Dプリントという手順で、ターゲットにされる可能性があります。

7.着ぐるみマスクの材料は経年安定しているか?

 使用する材料は長期間安定しているかどうか。経年劣化でたわみが発生したり、べたつき、縮んだりしないかどうか。

 

… と、ここに書いてあるのは値段も大きく左右されるところでもありますし、購入検討するための判断材料です。あくまでもユーザー側で取捨選択してください。(←ココ重要!)

 

法律うんぬんかんぬん

 上記に挙げた検討材料を、じゃ、実際にどうやって確認するのかというのはなかなか難しいかもしれません。ただ、国産の着ぐるみマスクであれば上記3.~5.はクリアできるかもしれません。というのも、国内生産物は法律があるため。製造物責任法といって、例え過失なくても10年の製造責任が課されているため、そうやすやすと人体の問題が起こすようなものはまず出荷できません。

 しかし海外はその法律は及びません。しかし、誰が責任取るかというと輸入した人になります。これは法にも定められています。例えばオークションで輸入転売(いわゆるせどり)するときは、出品者が製造物責任を負うことになるわけです。10年有効なので、落札者は出品者情報はおさえておくことをお勧めです。逆にいえば輸入責任者に信頼があれば海外製品も安心でしょう。

 製造物責任とは別に、追記すると消費者契約法というものもあって、よく見かけるオークションサイトでノークレームノーリターンがそれ。これも事業者ですと表記そのものが無効です。つまり、いくらノークレームノーリターンといっても瑕疵を回復する義務があります(逆にオークションで堂々と書いている事業者は法律を知らないということになります、そういう業者と取引するかは消費者次第)。バリ・トゲがある場合は瑕疵として認められるかもしれないので出品者に回復義務を要求したほうがいいかもしれません。

 この辺の話っていわゆる生命に危険が及ぶ、あるいは通常使用(着ぐるみマスクなら、カポるとケガするレベル)に足ることのできない欠陥と認められる瑕疵の話なので、たとえばデザインで「ここの角度が違うから直してくれ」とか、「ここの目のデザインのハイライトの位置が違うから直してくれ」とかそういうのは違う話です。そのため、ウチの場合もwebサイトでの説明文にかなりこの辺細かく、お客さんにとってはうるさく感じるかもしれないのは、この辺の法律が基になってるんです。結果文字が多いサイトにどうしてもなっちゃう。

 ただ消費者契約法は事業者の話ですから、出品者が個人ですと法律に及びません。ただ、繰り返し出品はたとえ個人でも事業者と認められるケースもあります。なので泣き寝入りはしないほうがいいかもです。

 じゃ、オークション出品者が海外在住の人だった場合は? 残念ながら落札者が輸入者になるので全責任は落札者になるので、基本は泣き寝入りです。これは諦めてください(;・∀・)ノ  購入前にはよく確認することが大事です。